【管理栄養士が解説】食品表示・広告でNGな表現とは?健康保持増進効果の落とし穴
- 鈴木 ひかり 管理栄養士
- 5月21日
- 読了時間: 9分

管理栄養士鈴木ひかりです☺
いつもご覧いただきありがとうございます。
こんなことが書いてある食品表示や店頭ポップ
SNSにホームページ。
見たことはありませんか?
血圧が高めの方に
糖の吸収を抑える
便秘予防
骨を強くする
カルシウムたっぷり
美肌
疲労回復
免疫力アップ
腸活
などなど
実はこちら
すべて一般的な加工食品には表示禁止のワードです。
今日はそんなNG表現について詳しくお伝えいたします
今日学べること
1.食品表示になぜこれらの表現はNGなのか
そもそもなぜ、こうした表現が禁止されているのでしょうか。
答えはとてもシンプル。
食品は「食べ物」であって「薬」ではないからです。

健康増進法では、
「健康の保持増進の効果等が必ずしも実証されていないにもかかわらず、その商品が効果があるように書くのは禁止」
と定められています。
なぜそこまで厳しく決められているかというと…
「この食品で病気が治る!」と信じてしまった方が
本来受けるべき治療の機会を逃してしまう恐れがあるからなんです。
これは消費者庁の「食品として販売に供する物に関して行う健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告等の禁止及び広告等適正化のための監視指導等に関する指針(ガイドライン)」に詳しく記載されています。
ガイドラインの文章はカチコチに硬いので、皆さまに伝わりやすいように噛み砕いてお伝えしていきますね。
2.「健康の保持増進効果」ってどんなもの?
「健康の保持増進効果」と言われても、ピンときませんよね。
具体的には、以下のような表現が該当します。
①病気の治療・予防を目的とする効果
「糖尿病、高血圧、動脈硬化の人に」 「末期ガンが治る」 「虫歯にならない」 「アレルギー症状を緩和する」 「花粉症に効果あり」 「インフルエンザの予防に」 「便秘改善」など

②身体の組織機能の増強・増進を目的とする効果
「疲労回復」 「強精強壮」 「体力増強」 「食欲増進」 「老化防止」 「免疫機能の向上」 「自然治癒力を増強します」 「集中力を高める」 「脂肪燃焼を促進!」など

③特定の保健の用途に適する旨の効果
「おなかの調子を整えます」 「血圧が高めの方に適する」 「コレステロールの吸収を抑える」 「食後の血中中性脂肪の上昇を抑える」 「健康の維持・増進に役立つ」など

④栄養成分の効果
「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です」など

⑤美容に関する効果
「美肌、美白効果が得られます」 「皮膚にうるおいを与えます」 「美しい理想の体形に」など
つまりは、
「病気を予防するよ!」「カラダに良いよ!」
というようなことは、ほとんどの食品では表示できないんです。
じゃあトクホはどうなの?
「でも、コンビニで見るあのお茶には『脂肪の吸収を抑える』って書いてあるよ?」
と思った方、鋭いです
実は特定保健用食品(トクホ)・機能性表示食品・栄養機能食品は例外なんです。
それぞれ国に届け出をしたり、許可を取ったり、基準をクリアした成分を含んでいたりするので、決められた範囲で効果を表示することができます。
逆に言うと、これらの届け出をしていない、基準を満たしていない普通の食品では効果を書けないということなんですね。
3.広告ってどこまで該当するの?
「広告」って聞くと、テレビCMやチラシをイメージする方が多いかもしれません。
でも実は、対象になる「広告」はとっても範囲が広いんです。
商品の包装やパッケージ、添付する紙
チラシ・パンフレット・DM・メール・FAX、電話で口頭で伝えるもの
ポスター・看板・アドバルーン・店頭ポップ・実演、車にラッピングした広告
新聞・雑誌・テレビCM
WEBサイト・ホームページ・SNS・ブログ
つまり、その食品を販売しようとするときに使うものは、すべて該当すると言ってもいいんです。
責任があるのは販売者だけじゃない
ちなみに、健康増進法第65条第1項では、製造業者・販売業者だけでなく…
新聞社
雑誌社
放送事業者
インターネット媒体社
アフィリエイター
なども対象になっています。
広告を載せる側も気をつけなくてはいけないんですね。
一番責任があるのはもちろん製造業者・販売業者ですが、
SNSで紹介する側にも責任があるということは知っておいてほしいなと思います。
「広告」と判断される3つの条件
ちなみに、以下の3つを満たすと「広告」と判断されます。
顧客の購入意欲を高める意図があること
特定食品の商品名等が明らかにされていること
一般人が認知できる状態であること
「これは個人の感想だから…」と言っても、
商品名を出して購入意欲を高める内容なら立派な広告として扱われるんです。

4.NG表示をするとどうなる?
ここで気になるのが「実際にNG表示をしたらどうなるの?」というところですよね。
私は前職で、まさにこの指導をする側だったので、実際の流れをお伝えしますね。
ステップ①:保健所からの問い合わせが来る
消費者庁や保健所がチェックをしていたり、
別の事業者から「こんな表示している会社がありますよ」と保健所に情報提供があると、
保健所から事業者さんへ連絡が行きます。
「あなたの会社で作っている(販売している)食品でこういう表示がありますが、科学的な根拠はありますか?根拠となるデータを示してください。示せなければ削除してください」
このときに、きちんと根拠を示せて削除等の対応ができれば、ここで終わります。
一番大事なのは、保健所から問い合わせが来ない表示にすることなんですね。
ステップ②:勧告
それでも対応しないと
消費者庁長官または都道府県知事(保健所設置市は市長、特別区は区長)から
勧告が出されます。
ステップ③:措置命令
勧告に従わないと、措置命令が出されます。
ステップ④:罰則
この命令に違反すると…
6ヶ月以下の懲役、または100万円以下の罰金
消費者庁のホームページで業者名が公開(6年間掲載)
ここまで来てしまうと、企業の信頼は大きく損なわれてしまいます。
私が指導していた頃も
ほとんどの事業者さんは知らずに表示してしまっていたケースが多かったです。
「知らなかった」では済まされない世界なので
これから食品を販売する方は本当に気をつけてください。

5.意外と知らないNG表現
「病気予防」や「免疫力アップ」がダメというのは
ここまで読んでいただいた皆さまにはもうお分かりですよね。
でも、実は他にもNGな表現があるんです。
①成分名で暗示するのもNG
例えばこんな表現↓
「血液サラサラにする成分が入っています」
直接「血液サラサラになります」とは書いていなくても
その成分が含まれることでサラサラ効果を暗示しているのでこれもNG。
「言い方を変えれば大丈夫」というわけではないんです。
②お客様の声・体験談もNG
「これを食べて体重〇kg減りました!」 「飲み始めてから肌の調子が良くなりました!」
こうしたお客様の声も、健康の保持増進効果を伝えていることになるためNG。
「お客様が言っているだけだから」は通用しません。
景品表示表にも引っかかってきます。
③最上級の表現もNG
「最高」
「絶対」
「最高級」
「日本一」
「抜群」
「無類」
こういった最上級の表現もNGなんです。
なぜかというと
健康の保持増進効果は人それぞれの体質や生活習慣で違うので
「最高の効果」を立証することができないから。
立証できないのに「最高!」と言うのは、虚偽表示にあたってしまうんですね。
※「日本一たい焼き」「完全メシ」など登録商標して商品名や店名に使用されているものはあります。
④含有量・カロリー表示にもルールがある
「大豆が〇〇g含まれている」
「カルシウム〇〇mg配合」
「カロリーオフ」「エネルギー0kcal」
これらも
決められた基準を満たして
分析機関で分析した上でないと表示できません。
※現在栄養成分表示は義務となりましたが、食品成分表を使用し、計算で求めた数値で記載することができます。その場合「推定値」等書く必要がありますが、分析したものではないため、このような表示を書くことができません。

6.【保存版】消費者として見抜くチェックリスト
ここまでお読みいただいた皆さまへ。
最後に、消費者として「あやしい表示」を見抜くチェックリストをお渡しします。
買い物のとき
SNSを見ているとき
こんなワードが出てきたら要注意です。
✔ 病気の予防・治療をうたう言葉 (便秘改善・血圧・花粉症・糖尿病に・がんに など)
✔ 身体機能をうたう言葉 (疲労回復・免疫力アップ・脂肪燃焼・集中力アップ など)
✔ 美容をうたう言葉 (美肌・美白・うるおい・アンチエイジング など)
✔ 最上級の表現 (最高・日本一・絶対・抜群 など)
✔ お客様の体験談 (〇kg痩せました・調子が良くなりました など)
✔ 成分名での暗示 (〇〇サラサラ成分配合・〇〇に効くと言われる成分 など)
こうした表示を見つけたら…
「あぁ、この商品を売りたいんですね」
と、一歩引いて見てみてくださいね。
(本当は保健所や消費者庁に情報提供するのが望ましいのですが…)
今回は健康増進法の観点からお伝えしましたが、食品の表示・広告には実は以下のような複数の法律が関わっています。
食品衛生法(昭和22年法律第233号)
医薬品、医療機器等の品質、有効性及 び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「医薬品医療機器等法(通称:薬機法)」という。)
不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134 号。以下「景品表示法」という。)
特定商取引に関する法律(昭和51年法律第 57号。以下「特商法」という。)
食品表示法(平成25年法律第70号)等
表示や広告をつくるのは本当に大変なことですが
売りたいからといって法律違反をしてはいけません。
食べ物は薬ではありません。
健康のために栄養素やエネルギーをとるために必要なものですし
「カラダに良い!」と思って食べると
実際にカラダに効くのがヒトのすごいところでもあります。
でも、あくまで食べ物だということを忘れないでくださいね!
そして
煽るような表示をした事業者さんに踊らされない
賢い消費者になっていきましょう☺
本日もご覧いただきありがとうございました♡
また次回もお楽しみに☺

【参考】

管理栄養士 鈴木ひかり
管理栄養士歴16年
元行政栄養士(岡崎市保健所にて勤務)
子どもの食事の相談件数4,000件以上
【子どもの食の困りごと】
偏食、好き嫌い、少食、食べむら、
遊び食べ、噛まない等
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とよた女性の起業できますproject.ビジネスコンテスト2022 審査員特別賞受賞
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豊田市親子食育講座等講師
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