ウガンダのカカオとコーヒーをめぐる旅|豊田市にあるeast endersさんのお話会レポート
- 鈴木 ひかり 管理栄養士
- 6月9日
- 読了時間: 8分
更新日:6月11日

みなさん、チョコレートやコーヒーの原材料がどこで、どう作られているか考えたことはありますか?
身近な食べ物だけれど、その背景にある人々の暮らしや努力は、普段なかなか見えにくいもの。そんな現地のリアルなお話を知ることができる機会として、
「ウガンダのカカオとコーヒーの会」(@east enders coffee chocolate)に参加してきました。
※ブログに書くこと、写真の掲載などお店の許可をいただいています。
1.カカオ豆から手作りするチョコレートのお店
「east enders coffee chocolate」
今回の会場となったのは、east enders coffee&chocolate(イーストエンダーズコーヒー&チョコレート)さん。
ここは、カカオ豆ときび砂糖だけでチョコレートを作る、ビーントゥバーのお店。
カカオ豆の仕入れからロースト、粉砕、練り上げまで、すべての工程を丁寧に手作業で行い、素材そのものの味わいを最大限に引き出したチョコレートを届けています。
お店では、手作りのチョコレートはもちろん、こだわりのコーヒーやカカオを使ったスイーツも楽しむことができます。
私のおすすめはチョコレートクッキーです♡
そんなカカオとコーヒーを愛するお店で開かれた今回のイベント。
チョコレートやコーヒーをより深く知るための、特別な時間となりました。

このチョコレートがけのクッキー、購入したのはストロベリーチョコとホワイトチョコですが、季節限定なので、その時期その時のチョコがけクッキーが楽しめます♪
2.ウガンダのカカオ農園のリアル
ウガンダでカカオ農園を経営する日本人女性、あさみさんの取り組みを中心にお話を伺いました。
ウガンダはアフリカの中でも緑豊かな肥沃な土地が多く、農業に適した地域とのこと。
あさみさんは、バックパッカーとして世界を旅した際、孤児院のボランティアをしたそうです。帰国後も手伝う中で、「孤児院を出た子どもたちの働く場を作りたい」と考え、土地探しから始め、カカオ農園を立ち上げたとのことです。

徹底した衛生管理とこだわり
土足禁止 頭にはバンダナ、作業前の手洗い・マスク着用など、衛生管理を徹底されているとのこと。いろいろなカカオ農園を見たけれど、日本人が代表ということもあるかもしれないが、ここまで徹底されているのは初めて見たとのことでした。
農薬を使わない栽培にこだわり、環境にも配慮
オーガニックの認証は取っていないとのことでしたが(オーガニック認証は厳しい審査に基準、毎年更新制など実はお金がとてもかかる)、病気になったカカオの木が見つかると農薬をかけて防ぐ場合もあるが、こちらの農園では囲いをして人が入らないようにし収束を待つとのことでした。
発酵工程では、混ぜる回数や箱の移し替えを調整して味を整えているそうです。
人の手で箱いっぱいのカカオを手で上下に入れ替えたり、箱に移してムラなく混ぜる。
そうやって均一に発酵させるとのことですが、重労働です。
カカオの実も、一つの木に熟し方が違う実が混在しているため、
完熟を見極めながら収穫する必要があり、手間ひまかけた丁寧な作業が印象的でした。

現地の暮らしと食文化
普段の食事は、インディカ米やとうもろこし粉のご飯、マンゴーやパイナップルといった果物、キャベツやほうれん草を使って油で炒めた物、塩味の豆スープなど。
基本はシンプルな塩味で、たんぱく源は豆が中心。
お肉や魚、卵はとても貴重な食材だそうです。
従業員さんにとって、今回旅したお店の方が食べた昼食、果物たっぷりの食事やゆで卵が出る日は「ごちそう」テンション上がっていたんだとか。
そんな現地の食文化を知ることで、カカオ農園が地域の暮らしを支える存在であることも感じられました。

3.カカオの栽培方法
大きいポットにカカオの種をまき、芽が出て苗木を大きくしてから植えます。発芽率は90%以上だったかな、かなり高い発芽率だそうです。
カカオは果樹で果実の種をチョコレートに使っているのですが
日本のよくある果実だと枝の先に実イメージですが
カカオは木の幹にも実ります。

カカオの木1本からカカオの果実100gとれて
そこからカカオ豆は10㎏とれるとのこと。

カカオの木は日陰もあるとイイとのことで、バナナの木と一緒に植えられることが多いとのこと。
また、木の下にはマメ科の植物を植えているとのこと。
マメ科の植物は根に根粒菌がいて、その菌は土中の窒素を固定してくれて栄養分となるんです。
バナナの葉はカカオ豆を発酵するのに使われ、食べる実はほとんど自家消費(従業員のごはん)、一部販売する場合もあるそうです。
乾季と雨季があって、年2回の雨季の時期に収穫されるそうです。
4.ウガンダのコーヒー農園の現状
コーヒーもまた、カカオと同様に細やかな作業と環境が品質を左右します。
コーヒーは年2回(雨季・乾季)の収穫
カカオと同じでバナナの木と一緒に植え、日陰を作る工夫も
品種は大きく2つあり、アラビカ種とロブスタ種がある。
アラビカ種の方がスペシャリティ。風味がよく高品質と言われ、標高が高い地域で栽培される
道端に生えているコーヒーの木も誰か管理している人がいて、収穫や乾燥をしている。
農園ではない誰かが管理しているコーヒーの木も標高が高いところはすべてアラビカ種。標高が高いところでロブスタ種は育たない。
誰かが管理しているコーヒーを収穫した後、道端でシートを広げて豆を乾かすこともあり、それらも販売されるが品質もよくないため低価格。農園との管理の差が明確とのこと。
すべての実が赤いわけではないので、手作業で赤い実だけを収穫していく。
次の実をつけるために短い茎は残して実だけを収獲するが、意外と難しい。
農園では、動物被害を防ぐというより、盗難対策が必須。
人が盗んでいくそうです。お金になりますからね。
鉄製ゲートとライフル片手に持つ警備員を置き、誰が農園に出入りするかも管理しているそうです。
お話会では、コーヒーの果肉を使った
お茶「カスカラティー」も試飲。
ルイボスティーのような、フルーティで優しい香りが印象的でした。

5.価格の背景にあるストーリー
近年、カカオ価格の高騰が話題ですが、その背景には収穫量の減少、天候被害、病害虫などが影響しています。
ウガンダ産カカオは、価格は高めでも、品質が良く、使えない豆が少ないという特徴があるそうです。安いからと低価格のカカオを買っても、ふたを開けると2割ぐらい使えない…なんてこともあるんだとか。
高品質の裏には、現地での丁寧な管理と、あさみさんのような農業を通して地域に貢献しようという志が支えていることを知り、「ただ商品を買う」という行動にもストーリーがあることを実感しました。
6.私が感じたこと─世界の農業を知るということ
日本でも農業の高齢化や耕作放棄地の問題を感じていますが、
今回ウガンダのお話を聞いて、世界の農業にも目を向けるきっかけになりました。
「食べる」ということの背景には、見えない努力や、現地の人たちの暮らし、文化がある。それを知ることで、私たちの食卓がもっと豊かになると感じました。
私自身、子どもたちに食の大切さを伝えたり、大人にも情報に振り回されず自分のものさしを持ってほしいと願って活動していますが、今回のお話会は、そんな思いをさらに深める貴重な体験になりました。

カカオやコーヒーの向こう側には、人の暮らしがあり、物語があります。
これからも、そんな背景に思いを馳せながら、食と向き合っていきたいと思います。
素敵な機会をくださったeast enders coffee&chocolateさんに感謝しつつ、また次の学びの場を楽しみにしています。
チョコレート作りを学ぶワークショップや
カカオ豆をむくCACAO TALKというイベントもあります。
定期的に開催されているのでぜひInstagramをチェックして見てください。
ふるさと納税もあるそうなので、Instagramのプロフィールのリンクからチェックして見てくださいねー!!
ご覧いただきありがとうございました♡

管理栄養士 鈴木ひかり
管理栄養士歴15年
元行政栄養士(岡崎市保健所にて勤務)
離乳食相談件数1,800件以上
幼児食相談件数1,700件以上
【子どもの食の困りごと】
偏食、好き嫌い、少食、食べむら、
遊び食べ、噛まない等
様々なお悩みをその子その人に合わせた相談にお応えしています。
とよた女性の起業できますproject.ビジネスコンテスト2022審査員特別賞受賞
GIRAFFES JAPAN セミファイナリスト
豊田市育児健康相談・離乳食教室・親子食育講座等講師
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